猫ちゃんの甲状腺機能亢進症

今回は元気でご飯もよく食べてるんだけど体重減少を起こした猫ちゃんの紹介です。

来院した理由は耳が痒そうとのことでしたが、それよりも4年前と比べて体重が20%も落ちていることが気になりました。

耳は外用剤で良くなるぐらいでしたが、体重減少は重度なので広めに血液検査を行いました。

そうすると予想通り甲状腺ホルモンの数字が高すぎることが分かりました。

普段からこの甲状腺ホルモンは出ているんですが、高齢の猫ちゃんではホルモンが出過ぎる場合があります。

そうすると体の代謝が良くなりすぎて、見かけ上やたら元気になってしまいそれが長期間続くとやはり体がしんどくなってきて体重が落ちてきてしまいます。

高齢の猫ちゃんで

やたら元気でご飯もよく食べる

よくお水も飲む

3キロの子で300ml飲んだらオカシイ)

体重痩せてくる

だと甲状腺機能亢進症の可能性があります。

今回の子は典型例だったのですぐに分かりましたが、中々お水の量まで把握できない可能性もあります。

そのため7歳を過ぎた猫ちゃんでは健康診断の一環として定期的に測ってみても良いかもしれません。

新浦安ペットクリニック

片桐浩基

この記事を書いた人

片桐浩基

日本大学獣医内科学研修室卒業後、東京大学動物医療センター外科系研修を修了。その後、千葉県鈴木犬猫病院の勤務医として診療にあたる傍ら2022年からは日本小動物医療センター画像診断科研修医を務める。2023年、千葉県浦安市に「新浦安ペットクリニック」を開院する。
資格:JAHA総合臨床医・獣医腎泌尿器学会認定医・ペット栄養管理士