眼の腫瘍

怖いことに眼にも腫瘍が出来てしまいます。この子は飼い主様が眼の赤みに気づかれて来院されました。確かに眼に赤みがみられたのですがそれだけでなく、よく観察すると眼の中に黒い物が見えました。

眼圧も測ると50と基準値を遥かに超えており(10〜15が基準値)、反対眼と比較しても左右差が認められました。

視覚も喪失しており、眼内腫瘍が高い事、治療は眼球を摘出する事とお話ししました。

急な事だったので飼い主様もすぐには決断は出来ませんでしたが、後日麻酔前検査(血液検査、レントゲン検査、心臓エコー、腹部エコー)を行い眼以外に問題がない事をしっかりと確認してから手術を行いました。

幸い摘出したものは転移する可能性がないと病理検査でもお墨付きをもらい、完全摘出が出来ました。

今回の子のように

単なる眼の赤み

として済ますのではなく、中には怖い病気も隠れているので気になる時はしっかりと病院に行きましょう。

新浦安ペットクリニック

片桐浩基

この記事を書いた人

片桐浩基

日本大学獣医内科学研修室卒業後、東京大学動物医療センター外科系研修を修了。その後、千葉県鈴木犬猫病院の勤務医として診療にあたる傍ら2022年からは日本小動物医療センター画像診断科研修医を務める。2023年、千葉県浦安市に「新浦安ペットクリニック」を開院する。
資格:JAHA総合臨床医・獣医腎泌尿器学会認定医・ペット栄養管理士